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超常科学

人体自然発火・メアリーリーザー

炎 1951年7月2日アメリカ。
 名実ともに世界一の国家となり、戦勝ムードに包まれ、どんどん「カッコイイ戦闘機みたいなウィング付きのアメ車」が作られ始めていた時代のことです。
 フロリダの閑静な住宅街で、奇妙な火災事故が発生しました。
 人体とその周りの家具一部が高温で焼かれているにも拘わらず、さらにその周辺には全く燃えた跡がなかったのです。
 チェリー通りというフロリダ、マイアミの閑静な住宅街です。
 そこの大家のパンシーカーペンターさんは、彼女への電報を持って、彼女の家を訪れます。しかし、朝の8時だというのに応答がありません。不審に思ったカーペンターさんは、メアリーさんちのドアノブに手をかけたとき、異変に気がつきます。

 ドアノブが凄い熱くなっている…!
 異常事態だと察したカーペンターさんは、すぐに警察を呼びます。

 通報され駆けつけた警官が、そのドアノブの先で見たモノは、無残なメアリーさんの姿でした。
 メアリーさんは、左足だけは完全に残し、その他の部位は完全に焼き尽くされていたのです。


大きな地図で見る
※現在のチェリーストリート

 彼女に接触していた家具以外が無傷だったのも不思議でしたが、完全に綺麗に焼け残っている左足は、さらに不思議でした。
 左足だけ完全に残し、その他の部位を完全に焼き尽くすことなど出来るのでしょうか?

 あまりにも奇妙な火事だと言うことで、FBIが捜査に乗り出します。


 メアリー・ハーディー・リーザー。白人女性67歳。身長170cm、体重77kg。ナイロン・アセテート素材のナイトガウン着用。(ナイロン・アセテート素材は燃えにくい素材です)
 彼女の腰掛けていたイスは、2本の足を残し消失。また、彼女の前にあったテーブルも完全に消失。カーペットは、彼女の周囲1mを焼いただけでした。
 彼女から1m弱離れた場所にあった、壁面のスイッチは溶かされていました。

 そして、高温で焼かれるために必要だと考えられる石油やガソリンなどの化学物質は検出されなかったのです。

 残された身体の部位は、スリッパを着用したままの綺麗な左足と、背骨、そして、ティーカップほどの大きさに縮んでしまった頭骨だけでした。





 さすがのFBIも、この事件にはお手上げで、状況証拠から組み立てた推理を発表することが精一杯でした。
 FBIの捜査能力を持ってしても、原因は究明できなかったのです。

 FBIの推理はこのようなモノでした。
 メアリーさんは睡眠薬の常用者だった事から、火事の当日も睡眠薬を服用していたのではないかと考えられる。床にライターが落ちていたため、たばこを吸いながら、彼女は意識を失ったのではないだろうか。
 一度衣服が燃え始めれば、メアリーさんの体重などから考えると、十分彼女自身を燃やす為の可燃物はあったと考えられるのではないだろうか。
(恐らく、人体ロウソク化による発火説(Wiki)の事だと思います)

 この後も、科学者などが様々にこの現象を推察しますが、現在もコレと言った有力な説明はされてはいません。(主な仮説 Wiki)

 いくら睡眠薬を飲んでいたからと言って、自分の身体が燃えて目を醒まさないモノなのか?
 もし瞬間的に一気に高温で焼けたのであれば、彼女の頭骨は、縮む前に粉々に破裂するだろう。(しかし頭骨が縮んだという説は、真偽が不明になっています)

 真相は、殺害され、その後火をかけられたというありふれた犯罪事件の現場が、偶然奇妙なことになっていたという事だけなのかも知れません。


参考:Mary Reeser - Wikipedia, the free encyclopedia




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